歌もの・エレクトロニカ・ポストクラシカル、それぞれが別ジャンルのソロアーティストとしてデビューし活躍してきた3人、高山奈帆子・北航平・ミムラシンゴで結成された【coconoe】。
前作『或る日のhalo』も人気だった彼らの2ndアルバム。
彼らの特徴である、日常音や楽器以外の音の生み出す彩や、アンビエントミュージックに不思議にマッチしたボーカルが前作『或る日のhalo』同様に楽しめる。それに加え今回は、元来楽器の優れたプレイヤーであるメンバーの強みを生かし、インプロビゼーション的要素を多く取り入れており、その場の空気や偶然をそのままパッケージした呼吸を感じる仕上がりとなっている。
グラスの音など、生活から生まれる聞き覚えのある音のカケラたちと、漂うような日本語のリリック、オーラブル・アルナルズ的なミュートピアノ、カセットMTRを使用した独特の歪みのある音色、それらの全てが、なんとも言えない安心感と少しの切なさを含んだノスタルジーを生んでいる。
1曲あたり10~15分の長尺にも関わらず、決して退屈さを感じさせない作品。
日本に数台しかないレア楽器・アレイムビラや人の声などから手作りされた暖かみのある音色のドローン的要素も手伝って、アルバムを通して存在している大きく包み込む何かが、すんなりと身を委ねさせてくれる。
0コメント