こちらではスタッフが個々に選んだ2019年の10枚をご紹介します!
共感してもらえたり、知ってもらえたら嬉しいです(^^)
2019年に人気だった作品を新旧問わないモアレコ独自の年間ランキングはこちら。
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橋本(tak)編
Brandt Brauer Frick 『Echo』
ポストクラシカル系で人気のDaniel Brandtが、Jan Brauer、Paul Frickのドイツ人トリオで人力テクノを披露するこちら。クラシック・ミーツ・テクノを人力で演る音は基本好きです。
Daniel Wohl 『État』
フランク ザッパが最も影響を受けた作曲家であるエドガー・ヴァレーズとARCAを一直線に繋げる作曲家・演奏家、ダニエル・ウォール。
ダニエル・ウォールがピアノやミキサーを担当し、彼の音楽に触発されたクラシック器楽アンサンブルのメンバーらが参加した作品。ラスト曲「Subray」は鳥肌ものでした。
Zweed n’ Roll 『I’m 20』
音楽都市バンコクのインディー・シーンで人気の5人組オルタナティブ・ロックバンド【Zweed n’ Roll】の日本デビュー盤。90年代の叙情派ロックの美しいメロディーを感じさせるサウンドがツボ。バンコクからこの手のサウンドが出てきてる状況が要注目です。
Limousine 『L’été Suivant』
フランスの4人組インスト・バンド【Limousine】
この夏、モアレコでもひと話題に。ジャズやイージーリスニング的なサウンドに、さすがフランスの小洒落ムードも合わさって気軽に再生出来る心地良い作品でした。
Aldous Harding 『Designer』
ニュージーランド出身の注目のシンガー・ソングライター、オルダス・ハーディングの3rd。
前作が名盤過ぎて新作が心配だったのですが、心配ご無用な素晴らしい内容でした。
MVの反復するシリーズはツボでした。
Floating Points 『Crush』
どちらかと言うと、これまでは難易度高めな実験的な作品をリリースしてきたFloating Pointsの新作は、まさに初期衝動を意識したというバキバキな心地良さ。
単純だけでは無い、こだわりが随所に見えた作品でした。
Swimming Tapes 『Morningside』
きらめくギターとこのヴォーカル。
古き良きあの時代にタイムスリップしたようなサウンドが哀愁を漂わせるSwimming Tapesのデビュー盤。メンバーが敬愛するサウンドが良質な時代のものなのだろう、と察します。
こういうサウンドはいつまでも聴きたくなりますね。
Lankum 『The Livelong Day』
2018年に「ベスト・グループ賞」を受賞しているアイルランド・ダブリン出身の実力派4人組フォーク・バンドLankum。
ブリティッシュ・トラッド、アイリッシュ・フォークなどの伝統音楽に今のエレクトロニクスも散りばめられて、今の時代に新鮮に響きます。
Terri Lyne Carrington & Social Science
『Waiting Game』
世界最高峰の女性ドラマーでプロデューサー、コンポーザー、歌手のテリ・リン・キャリントンの新録盤。エスペランサ・スポルディング、ミシェル・ンデゲオチェロ、ニコラス・ペイトが参加で2枚組仕様。張り詰めた緊張感のような演奏は聴きごたえあり!
GRAY 『Shades Of…』
こちら再発ですが、今年ということで。
あのバスキアが在籍していた伝説のバンド、GRAYのアンソロジー盤。一時はヴィンセント・ギャロも在籍。80年代のアート周りを象徴する奇跡のバンド。
80年代の混沌とした雰囲気をパッケージしたような内容は、今の時代に不思議にフィット。
穴原(yuco)編
Weyes Blood 『Titanic Rising』
Jackie-O Motherfucker の元ベーシストで Father John Misty、Ariel Pink、Perfume Genius ともコラボする Weyes Blood こと Natalie Mering によるサブポップからの初作。プロデューサーのジョナサン・ラドーが「この作品でオスカー取れなかったら音楽やめてやる!」みたいな意気込み(?)ツイートしてて、楽しみにしていた作品。最初はアンビエント路線?と思いきや、3分30秒あたりから狂気的なストリングスで転調し、壮大なサウンドスケープが繰り広げられる先行シングル「MOVIES」でまず雷がドーンと堕ちました!60sポップ・フレイヴァーな楽曲然り、たおやかな歌声のレイヤーが織り成すクラシカルな雰囲気も相まって、全編骨抜きにされた1枚。
Vanishing Twin
『The Age of Immunology』
ここ数年ステレオラブやブロードキャストに影響されているであろうアーティストがたくさん出てきてますが、その中でも似て非なる独創的な異空間を構築していたこの Vanishing Twin の新作が素晴らしい!メンバー全員の国籍が異なる上、多方面で活躍していて、ブロードキャストに関わってたメンバーがいたり、映画監督がいたり、ゾンガミンこと Susumu Mukai 氏(Floating Points のベーシストでもある)が在籍してたりと実験性が高くも、キャシー嬢のタイムレスな歌声やメロディーが耳心地よく、アルバムいちのキラートラック「Magician's Success」は楽曲との奇妙な世界感がマッチしたノワールな雰囲気のMVも最高です!
Luke Temple 『Both-And』
Here We Go Magic のフロントマンで Art Feynman 名義のアルバムも好みだったルーク・テンプルの6枚目のソロアルバム。クラウトロックやミニマルミュージック、エレクトロポップなどの要素を実験的に散りばめたフォーキーなサウンドに柔らかな歌心を乗せた、アーサー・ラッセルやデヴェンドラ・バンハートのような趣や温度感。ボサノヴァの要素やミルトン・ナシメントからインスパイアされたという楽曲も。(ブラジル音楽と彼の声質の相性は抜群でしょう)曲間を滑らかにつなげて、いつの間にか次の曲に移行してるトラックが多いのもとても耳心地良くて何度も聴いた作品。
Yves Jarvis
『The Same But By Different Means』
Un Blonde という名義で活動していたカナダのアーティスト、ジャン・セバスチャン・オーデットが新名義のイヴ・ジャービスでリリースした初作。ジャンルの定義とかは意識せず、鳴らしたい音をその時の気分で自然とかたちにしていったようなDIYな雰囲気を感じるのは、わずか15秒の楽曲から8分に及ぶ楽曲まであるからなのか。温もりのあるソウルフルな歌とアナログでフォーキーなサウンド、録音してる後ろ姿をリビングで眺めているような宅録感が親密な空気を放ってます。
Moons 「Thinking Out Loud」
ブラジルのニック・ドレイクことシンガー・ソングライターのアンドレ・トラヴァッソス率いる全英語詞のバンドMoons。ヨ・ラ・テンゴのようなアートワークの2019年作がすでにデジタルリリースされてるんですが、今年CD化されたこの2018年作が個人的に好みで素晴らしかったのでこちらを選びました。とにかく声よし、メロディーよし、リズムよし、レオナルド・マルケスの魔法にも包まれた脳みそトロトロになるビタースイートな傑作です。2マン来日求む!
Sandro Perri 「Soft Landing」
2011年作「Impossible Spaces」で大ファンになったカナダはトロントの至宝 Sandro Perri。その次作となるミニマルアンビエントな「In Another Life」まで7年も待ってヤキモキさせられたのに、今作はわずか1年で完成!念願の初来日(2017年)はパーカッションなしでちょっぴり物足りなさを感じましたが、今作では前作のミニマル要素を引き継ぎつつ、サイケデリアを纏ったあの温かく柔らかなバンドサウンドを鳴らしていて、なんと3月にフ・ル・バ・ン・ドで来日も決定!!!
Leonore Boulanger
「Practice Chanter」
昔から歌詞というものをほとんど意識せず、歌声を楽器のひとつとして聴く習性があります。「歌詞を意味から解放して、音として捉えなおしたい。言葉が語法から離れたとき、声は器楽性を取り戻す。」と言っていたフランスのアーティスト、レオノール・ブーランジェの新作「Practice Chanter(声の練習)」は、まさに「声」という楽器を多様し、あらゆる発声方法で様々な楽器とコラージュさせた世にも奇妙な錬金術。日本語の呪文のような歌詞も飛び出し、前作以上にカオス感を放ちつつも、素朴でどこか懐かしくて繰り返し聴いてしまう逸品です。
Yosi Horikawa 「Spaces」
Bandcampで気になったレーベルやアーティストをフォローしまくって夜な夜なタイムラインをチェックしてるんですが、気分的に今年やたらと引っ掛かったのが、南米エレクトロニックな楽曲で、Barrio Lindo と El Búho が主宰する SHIKA SHIKA の作品のマスタリングも手掛けていた Yosi Horikawa さんの新作も共振していて惹かれました。自ら採取したフィールドレコーディング素材に、ザクザクとしたトライバルなビートやメランコリックなメロディーを融合させて、「風景」から「音楽」へと緻密に構築されていく様子は、スピリチュアルなエネルギーを浴びているようでドキドキしました!
Bryony Jarman-Pinto
「Cage and Aviary」
Moon Child や Quantic も在籍する Tru Thouths からデビューした新星ブライオニー・ジャーマン・ピントの初作。ジャズ・ミュージシャンの両親の元、幼い頃から慣れ親しんだと言うジャムバンドサウンドとソウルフルでスムースな歌声が滑らかに溶け合った、大人の絶品オーガニック・ジャジーソウル!ハイエイタスカイヨーテやシャーデー、コリーヌ・ベイリー・レイなどを引き合いに出されてますが、控えめで品があり、かつゴージャスさを兼ね添えたナチュラルなバランスが絶妙です。
のろしレコード 「OOPTH」
11月に有楽町のヒューリックホールで折坂悠太の弾き語りライブを観てきました。青葉市子、イ・ラン、butaji、そして、折坂悠太本人含む、松井文、夜久一の3人のシンガーソングライターが集結した のろしレコード がゲスト出演。のろしレコードのニューアルバム「OOPTH」はもちろん事前に聴いてて良かったんですが、このライブがとても素晴らしかった!似た雰囲気を持ちつつ三者三様にクセ強めながら、ボビー・チャールズの楽曲に折坂さんが日本語詞をつけたという「テネシーブルース」での見事なハーモニーにとても感動しました。ライブ前からやたらと口ずさんでた「コールドスリープ」も聴けて嬉しかった。この生演奏をもってベスト入りが決定です。
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